ABOUT

「上白砂(KAMI-HAKUSA)」は、上高地・大正池に毎年堆積する土砂を浚渫工事によって取り除き、選別・洗浄を施した天然の白砂です。水力発電の調整池としても重要な大正池の機能を維持し、美しい景観を未来へ残すために半世紀に渡って続けられてきた浚渫工事。「上白砂」は、大正池の“保全活動”の副産物として生まれました。 自然を“消費する”のではなく、“守る過程から生まれた素材”として暮らしの中へ届けること。自然と人の営みをつなぐ天然砂「上白砂」は、アクアリウム、園芸、クラフト、インテリアなど幅広い用途で使用いただけます。 ◆開発背景・ストーリー(堆積土砂の価値化) 上高地を代表する景勝地・大正池は、焼岳の噴火によって生まれた自然湖です。一方で、梓川などから流れ込む砂礫(されき)が、毎年およそ2万㎥も堆積します。 浚渫を行わなければ、池は次第に埋まり、大正池は失われてしまうといわれています。 株式会社小石興業は、1977年(昭和52年)より約半世紀にわたり、大正池の浚渫事業に携わってきました。これは単なる土木工事ではなく、エネルギー資源としての機能を維持し、また、日本を代表する自然景観を守るための社会的使命でもあります。 一方、浚渫で回収される大量の砂礫。その保管場所には限りがあります。 「環境資源を守るために生まれるこの砂を、行先のない砂とするのではなく、価値あるものとして循環させられないか」 この問いから誕生したのが「上白砂」です。浚渫事業の現場から生まれた素材を、丁寧な加工によってプロダクトへと昇華させることで、大正池の保全と資源循環の両立を目指しています。 ◆「上白砂」の特徴 1. 保全活動から生まれた天然素材 「上白砂」は、大正池の保全に不可欠な浚渫工事によって回収された砂礫を原料としています。日本を代表する景勝地・大正池の浚渫事業そのものが商品価値の源泉です。 2. 自然の質感を生かした粒径設計 粒径は約1〜3mm。さらりとした手触りと、自然素材ならではのやさしい風合いを持ち、鑑賞用途にも適しています。 3. 明確な産地とトレーサビリティ 原産地は「長野県松本市・上高地流域」。砂が生まれた背景と用途を明示することで、安心感と環境意識を同時に提供します。 ◆コンセプト 「上白砂」は、大正池の保全のために浚渫された砂礫を、洗浄・選別し、鑑賞・創作向けの天然素材として再生したプロダクトです。それは単なる砂の商品化ではなく、 ・大正池を守る活動を可視化すること ・地域資源を循環させること ・自然と人の暮らしの距離を縮めること を目指した取り組みです。 製品を手に取ること自体が、上高地・大正池の保全に関心を持つきっかけとなる——。「上白砂」は、自然と未来をつなぐ“媒体”であると私たちは考えています。 ◆利用シーン(「消費」より「活用」) アクアリウム、園芸、クラフト、アート、展示空間など、自然素材を生かした表現・空間づくりに活用可能。日常の中で自然を感じ、環境への意識を育む素材として提案します。 ◆今後の展望 私たちは、大正池の保全にまつわる活動を「特別な活動」ではなく、「日常の選択」として広げていきたいと考えています。上白砂は、使うことで上高地の美しい自然に思いを馳せ、自然との関わり方を見直すきっかけとなるプロダクトです。 今後は、クリエイターや教育機関、民間企業との連携、展示・ワークショップでの活用などを通じて、自然保全の背景をより多くの人に伝える活動を広げてまいります。 上白砂は、大正池の浚渫により生じた砂を起点に、景観保全と資源循環の両立を目指して活用されています。株式会社小石興業は、中部山岳国立公園パートナーとして、環境省および関係機関と連携しながら本プロジェクトを推進しています。中部山岳国立公園パートナーシップは、国立公園の保護と利用の好循環を目指し、多様な主体が連携しながら価値の向上と発信に取り組む制度です。